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アフガニスタン―戦乱の現代史 (岩波新書)
 
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アフガニスタン―戦乱の現代史 (岩波新書) [新書]

渡辺 光一
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

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一筋縄ではいかないアフガニスタンの現代史を平易に、かつ十分な目配りをきかせて描いた好著である。古来、東西文化が行き交ったアフガンは「文明の十字路」と言われてきたが果たしてそうだろうか、と著者は問う。文明の蓄積もなく、ただ荒廃しきったこの国を著者は「戦乱の十字路」と位置づけ、戦乱がもたらしたプロセスとメカニズムを丁寧にたどる。

まずアフガンを中心とした中央アジア、ユーラシア大陸で19世紀から争われてきた英・露のグレートゲーム。第二次大戦後は米・ソに役者は代わったが、この長年の大国の干渉がアフガンの近代国家建設を阻害し、破綻させた。ソ連撤退(89年)でグレートゲームは終わったものの、イスラム勢力間の内紛が起き、タリバン登場に道を開いた。大国だけではない。パキスタン、イラン、サウジアラビアなど周辺の同じイスラム諸国も「真正なるイスラム支援」の美名のもとに国家エゴイズムを隠蔽しながら、アフガンの民族統合と国家統一を阻んできたとの指摘は重要だ。

何回も現地を訪れた元ジャーナリストの著者の鋭い観察眼は、新指導者のカルザイ大統領の服装にも注がれる。ベストドレッサーにも選ばれたパシュトゥーン人の大統領は、船体を逆さにしたようなタジク人のパコール帽を常にかぶっている。著者はここにモザイクのような多民族社会で民族融和を模索する大統領の緻密な計算を見る。丘に上ると見晴らしがきいて、遥か地平線まで望めた。そういう読後感を与えてくれる1冊である。(西川 恵)

出版社/著者からの内容紹介

「文明の十字路」と呼ばれながら,現実には「戦乱の十字路」であり続けたアフガニスタン.英露の「グレイト・ゲーム」,米ソの冷戦構造,そして周辺諸国をも含む諸民族の対立・興亡-それらに翻弄されつつ,9.11を経て今日に至るこの国の歴史と全体像を,10回を超える現地取材をふまえてコンパクトに描き,今後を展望する.

登録情報

  • 新書: 232ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2003/3/20)
  • ISBN-10: 4004308283
  • ISBN-13: 978-4004308287
  • 発売日: 2003/3/20
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.4 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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By 伯楽 VINE™ メンバー
形式:新書|Amazonが確認した購入
アフガニスタンは9/11のテロとそれに対する国際的な報復攻撃以来アルカイダの現在まで続く報復とともに世界の注目を集めているが、それまではほとんど世界の関心外にあったといっても過言ではない。日本とも過去の接点が極めて少ないこともその傾向に拍車をかけてきた。アフガニスタンは過去の列強の干渉と他民族国家であるために、現在に至るまで独立国としての民族意識が育つことがなく、その弱点を周囲諸国のの利害関係によって利用されてきた。この弱点を今後も抱えながら運営していく困難さがよく分かる構成となっており、簡潔にアフガニスタンの問題点が理解出来る。タリバーンが実体はほとんど空虚な組織であり、パキスタン軍情報部によってパキスタンの利益のために操作された内幕など興味ある!指摘も多い。欧州の美術館でレンブラントやバーミエールなどの名画を見て、青色の発色の見事さに感銘を受けるとき、その青色顔料が世界でアフガニスタンでしか採れないラピスラズリであることを思うと、アフガニスタンの美術史上の貢献にも思いを馳せることが出来る。アフガニスタンを簡潔に知るための好著である。
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By Fernald
形式:新書
 民主党政権が誕生し、補給特措法の代替案としてアフガニスタン支援が焦点となりつつある。文庫や新書でアフガニスタンを扱ったものはほとんどなく、本書がほぼ唯一の新書だったが、アフガニスタンの歴史を近代以前から振り返り、最後にはカルザイ暫定政権誕生までカバーしている。筆者は元NHK記者であり、文章は明晰、政治的な偏りも見られず、好感が持てた。出版から5年以上も経っており、より流動化している最近のアフガニスタン情勢をカバーできていないのだが残念だが、多くを学ばせてくれる良書である。タリバーンとパキスタンの間には緊密な関係があるということは知ってはいたが、その詳しい内容については本書で初めて知った。
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By 簿記受験生 殿堂入りレビュアー
形式:新書
アフガニスタンを知る好著。この国はアーリア系パシュトゥーン人が最大勢力を誇りながら、
同じアーリア系のタジク人、トルコ・モンゴル系のハザラ、ウズベク、トルクメン人が住む多民族国家である。イスラーム教スンニ派が有力である。本書は地勢の観察、イギリス、ソ連の干渉、不安定な諸王朝、内戦とタリバン、米軍のアフガニスタン攻撃とカルザイ体制を鳥瞰している。個人的に興味を持ったのは、同じ宗教国家を目指した隣国イランとタリバンのあり方である。シーア派とスンニ派の違いで対立し、イランが宗教国家を目指しながらも西欧や日本などの先進国の経験を学び、大国化を志向し、一定の成功を収めているのに対し、タリバン政権が戒律主義に堕し、米国に先制攻撃を許したのは政治経験の浅さであろう。
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