この映画はハワード・ヒューズの生涯の自伝ではなく、彼の人生の中のある一時期、アメリカで話題になった飛行艇の開発のニュースを題材にしています。
TWA航空のオーナーになり飛行機開発に異常なる熱意をもっていた彼が、第二次大戦中に開発にとりくんだ特大飛行機「ハーキュリーズ飛行艇」。
これはそれまでにない超大型飛行艇で、戦争という時代背景から軍からも開発を急ぐよう求められていましたが、彼は独自の完全主義で開発を進め、完成する頃には戦争が終わってしまいニーズがなくなってしまったという、彼の飛行機へのこだわりを描いた話です。
だからタイトルが「アビエイター(飛行士)」となったと思われます。
彼のビジネス成功の人生を描いた作品を期待している方には、飛行艇へのこだわりの描写と、TWAが当時の航空業界で置かれたあまり優位ではない立場のシーンばかりで、いまひとつかもしれません。
また最終的に完成した超大型の飛行艇が、実際に海で飛行を行うところは当時の事実と同じですが、映像では、長時間飛行ができて、いかにも飛行に成功したようなイメージできれいに描かれています。
しかし、実際には1分程度できりもみ降下し、二度と飛ぶことはなかったとも伝えられています。
ですので、映画としては壮大できれいに描かれていますが、実際晩年にガリガリだったヒューズ像とディカプリオのズレ、事実よりも脚色されすぎているストーリのギャップがそこにあります。
ちなみにこの飛行艇の大きさの飛行機は、現在運行の最大級のボーイングよりも大きく、これを超えるサイズの飛行機はまだないといわれています。