久しぶりに良いウェスタン映画でした。
ヴィゴ・モーテンセンとレネー・ゼルウェガーの演技が秀逸。
ヴィゴの台詞はミニマルにまとめられていますが、最も信頼のおける相棒(サイドキック)役を演じきっています。特に、途中でエド・ハリスの台詞で「only weakness you have is "the feeling" (お前の唯一の弱点は「感情」だ)The feeling gets you killed(時に感情は命取りだ)」とヴィゴの唯一の欠点を指摘するシーンがありますが、じつはストーリーの全てをまとめる大団円の決闘は、その「感情」が法律を超えることの正当さが光ったシーンでした。
レネー・ゼルウェガーは、かなりのオポチュニストっぷりを発揮していて、出自や家柄は良いけれども、環境によって自分に最も良く働くシチュエーションを探り当てるという「したたかさ」が俳優としての彼女のイメージにピッタリ合っていました。(これが劇中のエド・ハリス演じる保安官を、「感情豊かな人」にしてしまいます。)
エド・ハリスのディレクションについても、とてもストレートで好感が持てました。
ネタが尽きているウェスタンにおいて、視覚効果や音響に走りがちなトレンドを払拭し、脚本と演出のバランスで勝負した、古典的な作品になり得るフィルムだと思います。
全体を通して、初出のシーンには緊迫した音源を貼って敵対する相手との因縁を植え付けていき、ストーリーの半ば以降はキャラクターそれぞれの経緯や性格がすでに定着しているので、あえてクラシカルやその他メロディアスな音楽を流しているのが視聴者の感情移入を誘い、演出的にも素晴らしいセンスです。
ここ10年のアクション映画にありがちなミリタリー/ドラム的な効果音に近い音源を完全に排除しているのもいいですね。