欧米や東南アジア(ここでは、タイやシンガポールなど、一足早く発展し始めた国を指す)
に於ける和製アニメの勢いについては、既に類書で語られておりますし、一部は私自身も
現地のオタクショップを覗いたことがあるので、理解をしている「つもり」でした。
が、和製アニメは既に前述したような地域は飛び越えて、より多くの国に広がっていたの
です。ネットのおかげで(功罪については、本書でも著作権の問題と絡めて触れている)。
本書は前後編の二章立てと言っても問題無いでしょう。前半は、冒頭で挙げた国々に
加えて、中東(それもサウジだ)や東南アジア(ミャンマーやカンボジアといったASEAN諸国
でも後進地域だ)における、日本アニメの人気度について、著者が行った講演の様子と合わせ
述べられております。
(欧米と違い、近年和製アニメが浸透した国々は、ネットによる視聴なので、国民総人口から
みれば極一部なのでしょう)
後半は、ではこの優れたコンテンツを外交にどう生かせるか?という政策論(のようなもの)
になっております。後半部分は結局「日本を知ってもらおう」「日本好きを増やそう」「それ
にはアニメが使えるぞ」という風に、論としては少し弱い感を受けました。現在、行っている
ことは少なくても、今後どう生かすのか?という点は、逆に現場を知っている人だからこそ
机上の空論に終わらない物を提供出来るのでは?と考えるのです。
とは言え、海の向こうに出て行った和製アニメのホットな現状をコンパクトにまとめた
一冊だとは思います。どんなものが受け入れられているのか?とか、諸外国の若者が抱く
日本のイメージはどんなものか?なんてことを知りたい方には良いのでは、と思った次第
です。新書と言うことでサクサク読めますし、財布にも優しいですから。