伝統的なアニメーションの作画技法書ですが、アニメに限らずゲームでのモーション作成や漫画など…動きに関わりや興味がある人全てに有用な本だと思います。
内容はとにかく図と解説が多くて良いです。
主に24fpsで2コマ作画を基準に、用語も欧米の形式で書かれていますが根っこの概念は万国共通だし訳も自然なので読みやすいと思います。
同系列の良書である「The Illusion of Life」や「アニメーションの本」と比べても、人型のキャラを描いて動かすことの解説に力を入れているのが特徴で、歩きと走りの解説と考察だけで約100ページあります。
また効果線やブラー表現(おばけ、スカッシュ)の使用の考察、表現の様式化の功罪、技法と流行(古臭く感じる動き)など細かい話が所々に出てくるので、読み物としても楽しいです。
あとちょっと余談ですが…リミテッド(定義の幅はあるけど)と言われる日本のTVアニメでも見せ場では効果的に1コマや2コマ作画が混ざりますし、動きを感じさせるための色々な工夫があるのでどっちが劣っているというわけではありません(つまり欧米はフルアニメだから動きがヌルく古臭いとか、リミテッドだから動きを考慮しない紙芝居とか…質と枚数に一元的な因果関係があるわけではない)。
本書でも少し解説がありますが、その辺りの話に興味がある方はCGWorldで連載されている尾澤直志氏の講座と併せて読んでみるのも面白いかもしれません。
なお本書には、BlueSkyStudiosでの講義をまとめたDVD版も発売されており、公式サイトで本書の内容と動画の一部を見ることもできますので、雰囲気を知りたい方はそちらも参考にされると良いかもしれません。