この本は「ルパン三世 カリオストロの城」「名探偵ホームズ」を制作したテレコムアニメーションフィルムが主宰するオンライン通信教育「アニメ塾EX」テキスト一般流通版です(通信教育版のテキストから実践課題を大幅に省略しただそうです)。
アニメ塾EXの受講を希望していたのですが「Windowsによる制作環境を用意できること、Macユーザー不可」という必須条件を満たせず断念、独学の第一歩としてこちらのテキストを購入しました。
きらびやかなカラーリング・3DCGを積極的に導入する近年のアニメーションを「平面で勝負するアニメ」とするならば、この本は「線の描写ですべて表現しきるアニメ」を目指しています。ゆえにまず漫画・アニメセルの描き方の違いからコンテ→原画→クリーンナップまでの工程でいかに「線を選び抜き完成系とするか」徹底的に仕込むスタイルを取っています(海外受注が大半を占める今日の日本アニメ業界に、いまいちど動画の描けるアニメーターを生み出そうという熱意が感じられます)。
一方でアニメ制作会社での仕事分担から「原画一枚2銭×枚数歩合制」「スタジオ蟹工船」とまで揶揄された業界の現実まで包み隠さずあかしています…IT・デジタル化が進んだ今も厳しさは変わらないようです。
この本を読んだからと言って即個人制作スキルがあがるといったたぐいの本ではありません。
バイブルというよりは「業界入りを目指す人へ贈る職人修行事始め・叱咤激励本」ですので、Flash・RETAS!で今すぐ個人制作アニメをはじめたい人は他の本を検討した方がよいと思います。