一言で表すなら、買って大満足です!大藤氏の作品では、後期のカラーセロファンの影絵アニメが有名ですが、私は白黒のアニメがとても気に入りました。前者は後者に比べてかなり抽象的、そしてダークな面も持つ、現代アートのような印象。その色彩の美しさ、影絵のフォルムの緻密さは筆舌に尽くしがたいですが、個人的には初期の千代紙映画の無邪気なかわいらしさと表情豊かなギャグの方が大好きです。白黒ですが、千代紙の持つ独特の温かみは、何度見てもほっこり笑顔にさせられます。
もちろんこんな昔にここまでアニメーション技術が発達しており、一般市民にも馴染まれていたものだったことだけでも驚きなのですが、それ以上に現代人の目から見ても本当に動きや発想が斬新なのです。昭和初期だからと多少なめてかかって見たのですが、見事に裏切られました。陳腐な考えかもしれませんが、こういった先人たちの礎があってこそ、今や世界的な日本アニメが形作られているのだなと感じました。
以前よりも、古き良き日本の文化に対する思い入れがぐっと深まりました。大藤先生、宝物のような作品を遺して下さり、本当にありがとうございます。
【追記】
あえて残念な点をあげるとするならば「村祭」と「黒ニャゴ」の映像とBGMがずれているのがかなりマイナス!最初はこれがデフォルトかと思っていたのですが、「日本のクラシックアニメコレクション」に収録されているバージョンを見たら、動きと音がぴったり合っていました。せっかくすばらしい作品なのにこれでは魅力が半減・・・。編集時に気をつけて欲しかったです。