1970年代末から80年代前半にかけての
日本アニメファン層成立の黎明期、
最もコアなファンの溜り場とも云えた雑誌『アニメック』。
ガイナックスもヘッドギアも源流はここにある。
本書は一貫してその編集長を務めた著者の回顧録である。
当時アニメックは一般書店に豊富に流通していたとは云いがたく
毎号入手するだけでも結構苦労した記憶がある。
(当たり前だが当時インターネットは存在しておらず
発売日や発売書店などの情報は噂や口コミに振り回された)
そうやって苦労して入手した紙面に踊る、見慣れない設定資料や
スタッフの楽屋ネタなど、知らない世界を垣間見て、
編集というれっきとした職業ながら、
これほどまでに熱く、浮かれた世界があるのだと
私は羨望の思いで毎号ページをめくっていた。
ある意味、バブル前夜の混沌とした時代の熱き青春記であり、
当時を知る人間の一人として改めてあの時代の大らかな雰囲気を
思い出させてくれる憧憬に満ちている。