これまで自分のことで精一杯だった押井さんは、生活を13年7ヶ月伴にした愛犬の死と久しぶりに再会した娘の結婚が人生の一区切りとなり、世の中の実相を知り始める若者に何か伝えるべきことがあるのではと思い始めたそうです。
この国に生きる人々の中には荒涼とした精神的焦土が広がっていると思えてならないと感る中、押井さんが出した若者へ伝えるべきメッセージは「真実の希望」でした。
「生きるということは基本的に辛いことだということは間違いない。しかし、不幸になることさえ恐れなければ、あるいは不幸になることを覚悟すれば、更に積極的に言って自分自身が不幸になるという権利を行使するという意思があるならば、人生というものは各々にとって、最も大きな情熱の対象になりうる」これが押井さんのメッセージです。
本書には、1.上述のような詳細な映画の背景、2.豊富な映画のカラー画、3.アイルランドやポーランドロケ写真、4.作画監督西尾鉄也さんの日記漫画、が含まれており、映画スカイ・クロラを深く知れる優れたガイド本だと思います。