特に体細胞クローンヒツジの誕生については、大学の講義のように、わかりやすく解説されている。とかくこの話題は、ヒトのクローンの是非と同時に論じられるので感情的になりがちだが、著者は家畜生産面から見た技術革新のメリットを淡々と冷静に評価する。著者のこのような記述の姿勢は、読者に冷静な理解を促すのではないかと思う。
技術に加えて、アニマルテクノロジーを利用する上での課題も取り上げる。ウシ海綿状脳症など人畜共通感染症の問題はその代表だが、さらに「生物倫理」にまで踏み込んでいる。
(日経バイオビジネス 2004/02/01 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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5つ星のうち 5.0
農学に乾杯,
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レビュー対象商品: アニマルテクノロジー (単行本)
農学がアイデンティティを見失いつつあるいま、著者のエネルギッシュな筆は、最新の情報を盛り込みながら、農学が目指すべき新しい世界観を提示しているものと感じられる。農学はただの一次産業の基盤でもなければ、環境行政や建設事業の下請けでもなく、ましてや、そこかしこで愚策が追い求めるモリキュラーバイオロジーを道具にしたインパクトファクター生産マシンでもない。大学になぜ農学があるのかを本質から照らし出す論旨を、賞賛したい。それにしても、東京大学出版会が乗り出してきた農学・生物学企画は、きわめて秀逸である。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
素人でも読みやすい,
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レビュー対象商品: アニマルテクノロジー (単行本)
アニマルテクノロジー(畜産学と獣医学の総称)についての一般向け解説書。まずは、アニマルテクノロジーの系譜から始まり、人類と家畜との関わり合いの歴史が解説される。次いで、人工授精や胚移植、体外受精といった優良家畜生産の手法、核移植や遺伝子導入家畜といった先端技術、家畜生産の枠を超えた応用技術について、分かりやすく解説されている。さらに、安全性に関する議論が具体的な問題に即して展開されている。最後に、今後のアニマルテクノロジーの行方とあるべき姿について、著者の見解が語られている。分かりやすく解説されているので、専門外の読者であっても、読み進めることに支障はなく、楽しく読むことが出来る。家畜生産の現場でどのような技術が用いられているのか、アニマルテクノロジーが現在どのような課題に挑戦しているのか等々、今まで知らなかったことが丁寧に解説されており、興味深く読むことが出来た。また、家畜に対する著者の愛情が随所に見られ、共感できた。文章表現はこなれており、読みやすい。また、表紙カバーなどに描かれている動物のイラストも、愛嬌がある。
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5つ星のうち 5.0
無性に鯨カツが食べたくなった,
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レビュー対象商品: アニマルテクノロジー (単行本)
BSEやSARS、鳥インフルエンザなどが猛威をふるっている今現在、人間と家畜との関係を見直し、考え直すのに格好の本。普段なにげなしに口にしている食肉などを裏で支える技術が理解できる。一通りの現状の技術を学術的に理解できる上、著者の先生のちょっとヘヴィな『小指の思い出』など、読む者をあきさせない。また、BSEなどの問題に対する世間の動向をさして、『自然の驚異と恐ろしさに対する真摯な態度と判断が必要』と釘を刺すことも忘れない。 著者の先生は、雑食である人間はやはり肉を食することも必要と述べておられるが、もはや地球上の全人類に食肉を供給するのは無理があると、ベジタリアンでもない私でさえ思うこの頃。テクノロジーにも限界が見えているのではと勘ぐってしまいたくなった。 小学生の頃、学校給食で食べたあの薄くてカチカチの「鯨カツ」を、なぜか無性に食べたくなった。星5つ。
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