Vシネマをこよなく愛する映画評論家・谷岡雅樹氏が、Vシネマのフィールドで活躍する熱き漢(おとこ)たちを紹介する“アニキ論”である。
Vシネマの帝王である
哀川翔、
竹内力両氏の二大巨頭は元より、現在や両氏に継ぐ第三勢力・小沢仁志、一匹狼のアウトロー・
白竜、北野武監督作品には欠かせない名バイプレイヤー・
寺島進、同じく三池崇史監督作品には欠かせない名バイプレイヤー・遠藤憲一などなど、著者の熱い思いが本書を読んでよく伝わる。
個人的には、俳優のみならずプロデューサー・監督業もこなす小沢仁志氏の挿話が印象的でした。その昔、『
ビー・バップ・ハイスクール』(1985〜88)や『
スクール・ウォーズ』(1984)の不良役で脚光を浴びた氏であったが、その後低迷するも、再び自ら孤軍奮闘し完成させた作品が『
SCORE[スコア]』(1995・室賀厚監督)でした。興行的には成功したとは言い難い作品ではあるが、Vシネマの世界に殴り込む小沢氏の名刺代わりとしては十分でした。
その後もテレビ局中心の映画作品が幅を利かせる現在の映画界とは一線を画しながらもVシネマを中心に資金力も上映館も知名度も少ない劣悪な状況下で常に先頭に立って映画を作り続ける氏の姿はまさに野武士(ゲリラ)集団の頭領のように思えた。
現在も映画界の一端で闘い続ける小沢氏の俳優生活25周年作品『
太陽が弾ける日』(2007・横井健司監督)に実弟・小沢和義、常連・江原修は元より、光GENJI元リーダー・大沢樹生、松本明子主人・本宮泰風、芳本美代子主人・金山一彦、北野作品の常連・寺島進、三池作品の常連・遠藤憲一、海外でも活躍する俳優・加藤雅也といった漢(おとこ)たちが小沢祭りに集まるのもひとえに小沢氏の人脈の賜物であり、小沢氏こそ、まさに“アニキ”の称号にふさわしい漢(おとこ)だと思います。