O’sは、久し振りに現れたというか、かつていなかったタイプの異色女性デュオだ。O’sを見ていると、その外見と歌のギャップが、まず、面白い。二人とも、モデル並の身長に、大人の女を感じさせるエレガントな雰囲気を醸し出しているのだが、そんな二人から生み出される、美しいだけではない、素朴で、ほのぼのとした暖かさに包まれた、心が癒されるようなハーモニーには、どこか、一昔前の懐かしさを感じるところがあるのだ。こんなハーモニーを響かせるデュオには、長い間、お目に掛かっていない気がする。
O’sの公式プロフィールを見てみると、昭和40年代に一世を風靡した作曲家鈴木淳氏が、今、聴きたい曲も歌いたい曲もない大人のために「新しい歌謡曲」を生み出したいという思いを強くし、大人のために長く歌い継がれる楽曲を提供するというコンセプトのレーベルを立ち上げ、そのコンセプトにピッタリのデュオとして、O’sに目を付けたというのだ。当時の状況を知る者としては、現代の状況を見るにつけ、鈴木淳氏の思いは痛いほどよくわかるし、そんな鈴木淳氏がO’sに目を付けたというのも、慧眼というべきだろう。
さて、このアルバムだが、カヴァー曲、オリジナル曲が渾然一体となり、前記コンセプトどおりに仕上がっている。ちあきなおみの、ねっとりとした色気のある原曲を、ポップス調の爽やかなハーモニーでアレンジした「四つのお願い」、O’sがソロでも確かな歌唱力を有していることを示してみせた「初恋のひと」、まるで二人のために作曲されたような「白い色は恋人の色」と、カヴァー曲は、どれも素晴らしい。オリジナル曲も、「あなたとならば」、「杏の花咲く頃」、「今日から明日へ」、「いそしぎの渚」といった、昭和40年代の曲と聴きまごうばかりの、懐かしい薫りがぷんぷんと漂ってくるような名曲、佳曲が揃っており、これは、聴き応え十分なアルバムといっていいだろう。