第二の地球が何故突然現れたのか?
あれだけ接近すれば地球の重力にも影響があるのではないか?
調査も済んでいない得体も知れない第二の地球に何故、人を乗せたロケットをいきなり飛ばすのか?
第二の地球はパラレルワールドなのか?
などなどの疑問を持たれる方にはお勧め出来ません。
設定からはSF映画と取れますがあくまで設定だけであり、ストーリーはSFではなく、一人の女性と一人の男性に焦点を当てた「贖罪」の物語です。
大事な点はただ一つ「第二の地球が在り、そこにもう一人の自分がいる」ということです。
これは作品に深みを与えるための「絶対的な前提」であり、それに疑問を感じては面白くないと思います。
私はこの映画は作中でも語られている通り、もう一人の自分から学べることはあるのか?
もう一人の自分に会ったら自分の罪や悩みは消えるのだろうか?
そういったことを我々に問うものであると解釈しました。
そしてその問いに対して、映画の最後にある答えを提示しています。
私は映画の最後のシーンを観て、たとえそこにもう一人の自分がいたとしても、自分と背負っているものは違えど誰しも罪や悩み、苦しみがあるのだと感じました。
最後のシーンをどう捉えるかによってもこの作品の評価は分かれると思います。
これは個人的な解釈ですが監督はこの作品を通じて
例え過ちを犯しても他者に許しを求めるのではなく「自分で自分を許す」ということが大切なのだ、というメッセージを伝えたいのではないでしょうか。
私はちょうど落ち込んでいる時にこの作品を鑑賞して、大げさかもしれませんが救われた気持ちになりました。
総じて不思議で美しい作品だったと思います
第二の地球の情報を伝えるテレビ、空にぽっかりと浮かぶ美しいもう一つの地球。
全編を通して漂うミステリアスで神秘的な雰囲気が素晴らしいです。
キラキラと部屋の中に舞う埃、床を踏む音、などの映像や音響面でも見所がありました。
私としては何度も観たくなる作品でしたが、好き嫌いが非常に分かれそうな作品であり、
更にタイトルが「アナザープラネット(原題はAnother Earthです)」と、多くの人がSF映画と捉えてしまう場合があるので星4つとします。
あらすじに関しても「謎の惑星」などの表現で多くの人の誤解を招きやすいのではないかな、と。
私も最初は事前情報を知らず、未知の存在との接触を描いたSF映画だと思いました。
一見すると設定面でSF色が強いので誤解を生みやすいのが残念な作品です。