『わが闘争』は、いってみれば、ヒトラーのパフォーマンス。
ヒトラーの実際の姿はどんなものだったのか、それを知るには絶好の書、
それが『アドルフ・ヒトラーの青春』。
ヒトラーと親友のクビツェクが、飢えや貧困と耐えながら、
ひたすら、自分達の夢まぼろしを追いつづけた青春の日々を、
クビツェクが、ヒトラーという未曾有の政治マシーンの虚像を超えて、
描き出している。
ヒトラーが近親相姦的な家系の中から生まれたことを裏付ける資料も出てくる。
ヒトラーの父にとって、ヒトラーの母は、従兄弟の娘にあたるそうだ。
ほかにも、ヒトラーの兄弟についても触れられている。
この作品から、
ヒトラーの思想が青春時代から築かれたものであること、
ヒトラーの何でも自分で考えないと気が済まない様子や、
現実を無視し、自分の思うように全てがうまくいくと妄想に走る姿、
反ユダヤ主義を徐々に形成する様子、
浮ついた男女交際は断じて認めない、娼婦も根絶しないといけない、
それでいて、貧しい人々を救済しなければいけない、と主張する姿
片思いの恋に悩み妄想をつづけるヒトラー・・などなど、
とにかく読んでみて損のない内容となっている。
『わが闘争』を舞台裏から眺める書物と言えるこの本、
ヒトラー=ゲイ説を唱える『ヒトラー秘密の生活』、
ワーグナー狂ヒトラーの姿を伝える
『ワーグナーのヒトラー』とともに読むとさらに面白いはず。
『わが闘争』→本書、本書→『わが闘争』、
どちらの読み方でも、
経験がどのように政治的なものにヒトラーの内部で変換されたのか、
非常によく分かると思うので、これはぜひ読んでおきませう。