手塚治虫さんの傑作漫画「アドルフに告ぐ」のベースになった、「ヒトラーの父・アロイスがユダヤ系商人フランケンベルガーの私生児であったという説」については本書は「歴史家は今のところ否定している」として中立の立場をとっています。
ただ、このヒトラーユダヤ人説がしつこく浮上する理由は、ヒトラー出生の経緯が極めて不透明であること。本書の前半は父アロイスのドロドロの女性遍歴を中心に。もちろんこれが「不透明さ」の所以なのですが。
後半はヒトラーの甥など子孫が中心。ナヌ?ヒトラーの甥は米軍に入ってナチスドイツと戦った?そのヒトラー甥の子孫はいまだにヒトラー姓を名乗ってアメリカに住んでいるって。反面、ヒトラーの生地に住むヒトラー子孫は「まがまがしい歴史との関連を隠すため」取材は困難な状況が続いているようです。
巷にヒトラー本は数あれど、ナチスでのヒトラーの狂気や最後の防空壕生活などを描いたものはあっても「ヒトラーの血縁」という切り口でヒトラーに迫った本はないと思います。そういう意味でヒトラー本をけっこう読んでいる人も新しい発見はたくさんあると思います。