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13 人中、13人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
精巧に作り上げられた作品,
By
レビュー対象商品: アドルフの画集 [DVD] (DVD)
不思議だが精巧に事実とエピソードをちりばめて作られた作品です。エピソードは、この作品の舞台とされている1918-1919年のミュンヘンではなく、彼が1913年まで住んでいたウイーンでのものが中心となっています。ただこれらのエピソードを第一次大戦後の価値の真空状態のミュンヘンの中に、ドイツに同化しドイツ帝国に片腕まで犠牲にしたユダヤ人の画商と対峙させることにより、創作としての緊張感を作り上げることに成功しています。特にフィナーレへのプロセスは精密に作られています。同年代のgeorge grotzやmax ernstがこの時期本当にミュンヘン(表現主義の中心はドレスデンやベルリン)にいたのかどうかはわかりませんが、当時のドイツ表現主義の画家とヒトラーの凡庸な作品の対比もフィクションとしては納得はいきます。この作品に興味を持った方は、"hitler's vienna", "hitler and power of aesthethics" や"rites of spring"の著作を読むことをお勧めします。
31 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
誰でも「アドルフ」になり得る,
By カスタマー
レビュー対象商品: アドルフの画集 [DVD] (DVD)
この映画は、ヒトラーが画家として生きた半生を描いている。そこで描かれているヒトラーは「アドルフ」という名の時代に翻弄される一人の画家に過ぎない。彼は特別な人間ではなく、画家としての挫折を味わい、政治活動(=演説)というなかに何とか自分の居場所を見つける、どこにでもいそうな一人の人間でしかない。「ヒトラー=独裁者」というイメージは、ナチス・ドイツによる戦争責任を彼一人に帰す危険性を持つ。この映画は、どこにでもいそうな人物に「アドルフ・ヒトラー」の名をつけることで、誰でもヒトラーになり得たのではないか、という厳しい問いを投げかけてくる。歴史とは、自分とは係わり合いのない遠い世界のことではなく、すぐ隣にある日常なのだということを突きつけられる作品。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
オリジナルタイトルの「MAX」よりこちらの邦題のほうがセンスのよさを感じる。,
By クロエ・オブライエン (東京都板橋区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アドルフの画集 [DVD] (DVD)
4年間を第一次大戦で棒に振った30歳の青年ヒトラーが、残された自分の人生をどこに委ねるか、その葛藤が痛いくらい伝わってくる。この主人公が後にどんな人物になるのか結末が見えているため、物語は変貌していく人格に「オーメン」のような恐怖感も与える。 現代に生きる私たちにも、この映画の登場人物と同じように苦しんでいる人はたくさんいるはず。芸術以外に何も持ち合わせていないヒトラーと経済的に恵まれてはいるが片腕を失い芸術を生み出すことが出来ない画商マックスは、まるで鏡に映したかのように対照的な人格。お互いが必要としている相手でありながら、それを認めたがらないようだ。その人間関係がこのドラマが観客を惹きつける最大の要因のように感じる。 ジョン・キューザック演じる画商マックスは、神様がヒトラーに送った最後の救世主のように感じた。 私たちにも身の周りにそんな救世主はいると思う。その救世主を生かすも殺すも自分次第なのかな……。鑑賞後にしみじみと考えてしまった。
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