DVD版との比較です。
おそらくDVDからBDに買い直す人は、オープニングの水面やや下から映し出された映像について、DVDでも驚くほど美しかった青(藍に近いと言った方が良いでしょうか)が、更なる透明感と深みを増した青となって眼に飛び込んで来ることを期待していると思います。残念ながらその期待は叶えられません。透明感は増していますが、色はDVDに比べやや薄く、若干碧(みどり)がかかった色合いに変化しています。見始めてしばらくは違和感があるかも知れません。
あれっ、と思いながらも見続けていると、やがてこの色合いのほうがしっくりくることに気が付いてきます。そして、DVD版が本来の色よりも彩度を上げた人工的な色味を持たせていたことが分かり、驚くことになるでしょう。しかし、それに気付いて以降に見る海の景色は、良い意味で既視感のある自然な風合いに映ります。強調された色では無い分、心との親和性が増したせいか、自分が海の底で魚たちと泳いでいる感覚はDVD版よりも強く感じられると思います。
レストア作業を行ったスタッフは、色の調節にあたり「うわっ、綺麗!」よりも、「あぁ、美しい..。」を目指したのかも知れません。
勿論、データ量の増加と相まって解像度は格段に向上しています。冒頭のシーンの次に来る、海中の泡の映像を見れば一目瞭然です。透明感に関しては、全編BDの恩恵を受けることとなるでしょう。音声は2chですが、高音域が幾分クリアになり、低音は強調されています。
映像の趣向が違うので、追加でBDを買った人もDVDは手放さず、気分に合わせて見るソフトを選ぶような使い方をすると面白いかも知れませんね。