「本当に大西洋にあった」
「いや、地中海にあったのだ」
「実は南極大陸だ!」
などと、百花繚乱といった感じの「アトランティス論」。
それらを一つ一つ俎上に上げて、ごく冷静にその矛盾や問題点を突いていくというのが本書。
・・・などと書くと、なんとも夢のない本に思えますが、その論考の過程がとても面白く、また、古今東西のいろいろな論を取り上げているため「こんなアトランティス論もあったんだ!?」という発見も多い。
ということで、「古代文明論大好き派」も「懐疑派」も、どちらも楽しめる一冊になっている。
ネタバレになるので詳細は書きませんが、本書の結論もまたある意味「夢のない」ものではある。
だが、その結論は非常にロジカルに導き出されたものであり、著者の「歴史」に対する真摯な姿勢が強く感じられる。
とてもまっとうでありながら、「失われた古代文明のロマン」も味わわせてくれるという、得がたい本です。