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パワフルなコーラス隊が各楽器とともにリズムを形成し、肉声と楽器がダイナミックに躍動していくさまは、圧倒的な迫力だ。クラシックを中心にタンゴ、アフロ、サンバなど多様な要素を取り入れ、全編で実験精神がみなぎっているのだが、どの曲も聴きやすくポップに仕上がっているところがすごい。クラシックとポップスの狭間を、“肉声”でつなげた傑作だ。(小山 守)
そもそもアディエマスはデルタ航空のCM曲という、映像や別の
メッセージを補足するための音楽から出発しています。その後
日本のヒーリングブームでもてはやされ、日本のテレビや映画
からのオファーも受けるなど、どこか方向付けを縛られた感が
カールにはあったのかもしれません。そんなわけでヒーリング/
ニューエイジシーンを牽引しながらも、1stほどのインパクトを
その後維持できていなかったように感じます。
そこへ、今作 "Vocalise"。ヒーリングでもサントラでもない、
アディエマスのスタイルで新たな境地へ踏み込もうという意欲的
な一枚になっていると思います。それはワールドミュージック
をさまざまに取り入れていること、メインボーカルの
ミリアムにこだわらなかったこと、さまざまな形で「アディエマス
らしいアディエマス」を新たに体現しようという意気込みを
感じます。
個人的には 1~2作目の深く物憂げな雰囲気が好きだったので
星4つにしてみました。また、完成度は少し落ちたかもしれません。
それでも、1作目に匹敵すると言っていいインパクトが復活
しているのは嬉しいし評価できるのではないでしょうか。
第1作”聖なる海の歌声”から10年近く経て、原点に回帰したその名も”ヴォーカリーズ”。
回帰したと言うと、「今までの作品はどうなるんだ?」と言われそうですが、アディエマスがヴォーカルをメインにした作風で”声”こそ最高の楽器であるとのスタイルできた事は十分承知しています。ただ、回を経るごとに第1作で衝撃を受けた「パワー溢れる、力強いサウンド」から遠ざかり、「おっ!」と思わせる曲が減ってパワーダウンしていっている感じを受けていた私としては、久々に力強さを感じられる作品に仕上がっており、その意味で【回帰】と表現しています。
この5thアルバムは全体的なイメージとしては”ラテン・ミュージック”。タンゴ、ジャズ、ブルース、ブギウギ!など、もの悩ましげなメロディーがあるかと思えば弾ける様なリズムで軽やかで楽しげな歌声が重なり、サックスやチェロのソロパートも織り交ぜてヴォーカルとの対比も面白い作品になっています。
もちろん、クラシックやケルトを思わせる部分も健在で、今までのアルバムの要素を混ぜ合わせうまくミックスしてあると思います。
バンドネオンやハーモニカ、ミュートをしたトランペットといった、今までなかった楽器が使われているのも興味深く、独特の音色が良い味を出しています。
第1作には及ばないものの、先に出ているアルバムの要素を取り入れつつ、ラテン系のミュージックに新たなアレンジを加えた試みに対して”星4つ”の評価を与えたいと思います。
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