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キース・ジャレットのスタンダーズ・トリオはライヴで真価を発揮する。最初のライヴ盤は85年の『星影のステラ』だった。その後『枯葉』『オール・オブ・ユー』『ボディ・アンド・ソウル』『ウィスパー・ノット』と、考えてみると代表作はみなライヴ・レコーディングばかりだ。本作、またしかりである。これは94年6月3~5日にニューヨークのジャズ・クラブ、『ブルーノート』に出演した時の演奏をコンプリートな形で収録した6枚組で、3日間で演奏した全38曲がそっくり収録されている。おなじみのスタンダード曲もこのトリオが演奏すると、まったく雰囲気の異なる独自の世界に色付けされる。即興演奏の妙をとことん追究しながら、同時に原曲の持つ美しさを最大限引き出す詩情豊かな演奏は、聴く者を魅了せずにはおかない。このトリオがライヴで真価を発揮するのは、自然発生的に生まれる精神の高揚感が演奏にプラスしているからだろう。それにしてもキースのバラード解釈のうまさは心憎いばかりだ。これぞスタンダーズ・トリオの金字塔。(市川正二)
内容(「CDジャーナル」データベースより)
94年の6月,キース・ジャレット率いるスタンダーズがNYの{ブルーノート}でおこなった3日連続公演の模様をすべて収録した6枚組。現在ジャズが誇る至上のユニットだけあって,どのステージも他に類のない完成度を誇る。一つ一つの楽曲に新たな生命を吹きこむような繊細きわまりない演奏は息を飲む瞬間の連続。ピーコック,デジョネットとのコラボレイションも,往年のビル・エヴァンス・トリオに通じる部分もあるものの,どの曲にも新鮮な発見と驚きを覚える。当夜の感動を追体験できる豪華決定版だ。