スハルト独裁政権が終焉した1998年8月からアチェ州北アチェ県に足しげく通い、独立を目指すGAM(自由アチェ運動)へのインドネシア国軍による弾圧と、無関係な住民達への人権侵害の実態を聞き取り調査してまとめられたのがこの本。
何よりもスハルトが倒れてすぐに現地入りした行動力に感服する。アチェ問題はその後大きく取り上げられるようになったのだが、先見の明があったというよりは、彼女達の活動によってクローズアップされたと考える方が正しいのだろう。
独立を叫べば国家への反逆であろうから、何かしら刑法上の罰を受けるのは予想されること。しかしインドネシア国軍の拷問・虐殺は明らかに不当。闇から闇へと葬られてしまうこのような事実を明らかにする勇気には感服する。
GAMとインドネシア政府は2004年の津波被害をきっかけとして和平に向かった。このあまりにもドラマティックな展開を誰が予想しただろうか。