移り気なコリエルゆえ、1973年に結成されたコリエルのレギュラー・バンド「11thハウス」とて、これまでに4枚しか公式リリースアルバムを出していない(ヴァンガードでの「イントロデューシング」「アット・モントルー」、アリスタ移行後の「LEVEL ONE」そして本作)。
その4作品の中でも、もっともPOP色を強めたのが、最終作に当たる本作だ。
本作からの数曲は当時、テレビやラジオのバックグラウンドとして勝手に使われまくっていた。
ラッパを、これまでのマーク・ローレンスに代わり、わが日野皓正が担当しているが、本作の性格上、日野の活躍の場が少ないのがもったいなかった。しかし、その数少ない登場場面で見せる日野がまた素晴らしい。日野は本作の性格を完全に知り尽くしていたと見えて、フレーズよりもむしろ音色を聴かせることに力点を置いている。いわば全体像を少ない時間で把握し、それに最適の音を付けているわけで、目立たないが本当に凄いことをやっていると感心する。
いずれにしても、11thハウスらしい作品というのは3作目までで、特に、なぜか日本ではこれまで一度も公式にリリースされたことがない「LEVEL ONE」こそをその代表作だと思っているのだが、すでに30年前にカット盤の輸入LPは売ってしまった上、テープでも残していなかったので、世界初CDを首を長くして待っているという状況だ。