人類初の月飛行へ挑もうとする少年少女達の話。
宇宙開発のロマンですね。
・政治的な背景。
・超高倍率の選抜試験。
・激しい訓練。
・技術・予算面での困難の克服。
・常に付きまとうアクシデント。
・生還率の低いプロジェクトに挑む人達と、それに関わる人達の葛藤と人間模様。
・パイロット達の毀誉褒貶。
映画『ライトスタッフ』とかが大好きなSF好きにはワクワクが止まらない要素の数々ですが……
……が、良くも悪くもラノベというべきか、あれこれ甘くなってます。
人工衛星すら打ち上げに成功していない段階から、ぶっつけ本番で月に人を送り込もうという無茶もさることながら、どの困難もあまり越えがたい壁として立ちはだかることはありません。
巨大プロジェクトのわりに、有象無象が絡んでくることもなく登場人物数も多くないですし。
難関だらけの要素を無難にまとめてしまったのが、贅沢を言うならば減点要素ですね。
何より、プロジェクトXのような熱いパイオニア達の物語でありながら、主体が少年少女だらけでムサいオッサンが全然出ません。
これはラノベ的には正統派ですが、SFとしてはどーなんでしょう?
しかし、複線の回収は素晴らしかったですし、登場人物それぞれの心模様も、あまり深く掘り下げる余裕は無かったようですが悪くありませんでした。
また、こうした困難な目標に向けて遮二無二進む熱い主人公は大好きなので、そこは加点。
最初に問答無用で『半年以内に月に行かなければならない』という絶対の縛りを入れた事で全篇に緊張感が出ていたのも見事でした。
巨大プロジェクトを扱うSFや、宇宙開発を描いたSFも大好きなので、そこも加点して星4つ。