ストーリーのベースになっているのは、1970年代によくあったマイナーな宇宙開発シニカルネタ。どれひとつとっても新規性はない。しかし、そのネタをあさりよしとお氏が漫画の形にアレンジしたとき、これらのネタは息を吹き返す。
視覚的に説明しにくかったり、読者層がそもそもマニアックで判っている人が多いため、省略される事が多い基礎的な科学的説明。しかし、この知識なしにはオチの面白さが判らないネタは、特に初期宇宙開発ネタに多い。この本に掲載されている作品では、いずれもこれらの科学的説明に十分なコマ数を取っており、なぜオチがオチとして成り立つのか理解できるようになる。同時に科学知識も身につくのだ。
一見ただの娯楽作品に見えるが、その背後には「科学知識を広めたい」という意志と、そのための配慮が見える。このような作品が多く生まれて、多く読まれるようになる事を願ってやまない。
一家に一冊 お勧めしたい。