本書の構成
本書は,最初にほとんど解答不可能な質問を設定し,最後までその質問に対する答を模索している。
コミュニケーションが根本的に不可能な場合,プロジェクトメンバはどのようにプロジェクトを管理するのか。
すべての人やすべてのプロジェクトが異なるとしたら,生産的なプロジェクト用のルールをどのように作成できるか。
このため,本書の一部を,ミステリー小説の「誰が犯人か」というスタイルで書いている。まずは幅広い哲学的な議論,「コミュニケーションとは何か」「ソフトウェア開発とは何か」ということから始める。
このような議論は,まだかなり抽象度の高い,「人の性格とは何か」「チーム内のアイデアの移動は何に左右されるか」というトピックに進展する。
そして議論は「方法論の要素と原則は何か」という具体的なトピックに到達する。これは,具体的な素材を真先に求めるなら,最初に読み始めるべきトピックだ。
議論は,最終的に「軽量で,充分で,自ら改善される方法論とはどのようなものか」「プロジェクトで期限内に成果を出すために,グループはどのようにして独自のアジャイル方法論を作り出すのか」という,具体的な問題に行き着く。
本文の内容をサポートする付録が2つある。1つ目の付録には「アジャイルソフトウェア開発宣言」を掲載する。この宣言には,多くの経験を積んだ17人のソフトウェア開発者と方法論者が署名している。
2つ目の付録には,3つの文献からの抜粋を掲載する。掲載する文献は,素晴らしい内容であるにもかかわらず,それほど広く読まれていない。本書で記述しているトピックの中心になっている文献なので,ここで収録した。
本書のアイデアの由来
本書のアイデアは,25年間の開発経験と10年間のプロジェクト調査に基づいている。 IBMのコンサルティンググループから,最初のオブジェクト指向方法論を設計するように依頼を受けたのは,1991年のことだった。当時,相互に矛盾する「方法論」の書籍をかなり懐疑的に見ていた。私と上司のKathy Ulisseは,プロジェクトチームから実際の仕事内容を聞くことにした。驚いたことに,彼らの言葉は書籍の中の言葉とまったく違っていた。
インタビューは今でも貴重で,成功事例を持つプロジェクトを訪れては,プロジェクトメンバが体験したこと,学習したこと,薦めることを調査している。インタビューの前に行う重要な質問は,「また同じ方法で仕事をしたいか」である。私の語彙にない言葉を用いて相手が経験を語った場合は,その経験が,私が区別や言葉を知らない,新しい領域における経験であることを示している。
本書を出版した理由は,結局,言葉や区別が,プロジェクトの存在や結果の記述に相関するからである。言葉や区別は,診断や介入を行う際,これまでに使用したどのツールよりも貴重だった。
本書内のアイデアは,数十の開発チーム,8つの方法論設計,関与したいくつかの成功プロジェクトから得たものである。
アジャイルソフトウェア開発シリーズ
ここ10年間,ソフトウェア開発におけるアジャイルに関わってきた人の中で,Jim Highsmithと私は多くの共通点を見出した。そこで,2人で力を合わせて,比較的軽量,効果的かつ人間中心のソフトウェア開発テクニックに基づいた,「アジャイルソフトウェア開発シリーズ」を出版することにした。
このシリーズは以下の2原則に基づいている。
プロジェクトによって,必要なプロセスや方法論は異なる。
プロセスよりもスキル,コミュニケーション,コミュニティに注目することで,プロジェクトはより効率的かつアジャイルになる。
このシリーズは,以下の3つのトラックに分類される。
特定の仕事を行う人の効率を改善するテクニック。その仕事はユーザインタフェース設計,要件収集,プロジェクト計画,設計,テストなどである。このような仕事に携わる人なら誰でも,その仕事に向いているタイプの人を知りたいだろう。Writing Effective Use Cases(Cockburn 2001c,邦訳:『ユースケース実践ガイド 効果的なユースケースの書き方』2001)とGUIs with Glueは,個人のテクニックについて書かれた書籍である。
グループの効率を改善するテクニック。これにはチーム編成,プロジェクト回顧,意思決定などのテクニックが含まれる。具体的には,Improving Software Organizations(Mathiassen 2002)とSurviving Object-Oriented Projects(Cockburn 1998)が,グループのテクニックについての書籍である。
成功したアジャイル方法論のサンプル。ベースとなる方法論を選択する場合は,すでに似たような状況で成功している方法論を知りたいだろう。既存の方法論の修正は,新しい方法論の作成より容易で,別の状況下で設計された方法論を使用するよりも効果的である。クリスタルクリアは,サンプルとなる方法論の書籍である。他にも多くのサンプルが発表されることを期待している。
登録情報
カタログ情報を更新するまたはイメージに対するお問い合わせ
|
![]() |
51%のカスタマーが、このページの商品を購入しています。 アジャイルソフトウェア開発 (The Agile Software Development Series) ¥ 3,360 |
![]() |
16%のカスタマーが アート・オブ・アジャイル デベロップメント ―組織を成功に導くエクストリームプログラミングを購入しています ¥ 3,780 |
![]() |
14%のカスタマーが アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣を購入しています ¥ 2,520 |
![]() |
10%のカスタマーが アジャイルソフトウェア開発スクラム (アジャイルソフトウェア開発シリーズ)を購入しています ¥ 2,100 |
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
|||||||||||||||
最も参考になったカスタマーレビュー
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
|
|
|
|
製品詳細ページやサーチ結果を表示した後、興味のあるページに戻る簡単な方法についてはここを参照してください。 |