昨今、東アジア共同体やアジア連合という言葉が独り歩きをし、結局何が問題で、どこに進むべきなのか、学者を含め方向性を失っている感がある。
本書はそもそものアジアの定義から始まり、今後の方向性にいたるまで非常にわかりやすく解説してある良書である。
アジアや共同体といった独り歩きする用語の再定義や昨今の各論壇の解説に留まらず、地域、ナショナリズム、各国の戦略等多岐にわたる分析を通じアジア連合の実現に向けた具体的なビジョンを明確に提示している。
学術書としての価値もさることながら、学生、一般社会人にも非常に読みやすく平易な言葉で体系的に書かれており、本書を通じてアジア共同体論に触れるというのも一つの機会ではないだろうか。