中国や韓国の章は比較的オーソドックスながらも、整った記述との印象を受ける。しかし、台湾の章は行政法規や違憲審査に関する記述がないなど、少し残念な部分が多い。法制史の記述も非常に簡易過ぎる他、現代の法律への影響に言及されていないため、言及の必要性は低いきがする。また、執筆者が日本語ネイティブでないため、表現に不自然な部分も多い。本来なら、編者か他の執筆者が協力して、ネイティブチェックを行い、修正させるべきだろう。
また、シンガポールや香港、北朝鮮に関する章がない。北朝鮮は別としても、前の2者は経済的にも重要な国・地域である。これらの章の欠如は、本書の網羅性を損なっている。
本書は値段が高く、各章のレベルも異なるため、個人で買うのは躊躇せざるをえない。しかし、図書館や会社などでの共用図書としては、蔵書する価値はあるだろう。いずれにせよ、出版されたばかりだが、対象国・地域および各章で言及する項目の網羅性を補うなどの改訂を望みたい。