この本の評価は、大雑把に分ければ、読者が経済重視か安全保障重視かで大きく分かれるだろう。
経済を重視すれば、グローバルな相互依存が進む中で、日中印が国家単位で対立する可能性はただのアオリのようにみえる。
安全保障をより重視する人は中国の軍事的な評価に対してより深刻な危機感をもっている人もいるだろう。本書では中国の国防費は公表の150%程度としているが、3〜6倍とみる見方もあるからである。
現在このような見解の対立は日中印それぞれの国内でみられる対立ともなっている。
本書の長所であり欠点は、あまり学術的でない書き方にある。そもそも未来を実証的に書くことはできないが、より深いデータへの反論的検証を行い、実証的にすれば、説得力は増すはずだ。しかし、人を引き付ける題だけでなく、ジャーナリスティックな読み易さという点でもとても面白い本である。