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アジア・太平洋戦争―シリーズ日本近現代史〈6〉 (岩波新書)
 
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アジア・太平洋戦争―シリーズ日本近現代史〈6〉 (岩波新書) [新書]

吉田 裕
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

マレー半島上陸と真珠湾攻撃によって開始された「アジア・太平洋戦争」.なぜ開戦を回避できず、絶望的な抗戦へと至ったのか.兵士や銃後の人びと、アジアの民衆は、総力戦をいかに生き、死んでいったのか.矛盾を抱えて強行され、日本とアジアに深い傷跡を残した総力戦の様相を描きながら、日米交渉から無条件降伏までの5年間をたどる.

内容(「BOOK」データベースより)

マレー半島上陸と真珠湾攻撃によって開始された「アジア・太平洋戦争」。なぜ開戦を回避できず、長期化したのか。兵士や銃後の人々、アジアの民衆は、総力戦をいかに生き、死んでいったのか。矛盾を抱えて強行され、日本とアジアに深い傷跡を残した総力戦の諸相を描きながら、日米交渉から無条件降伏までの五年間をたどる。

登録情報

  • 新書: 254ページ
  • 出版社: 岩波書店 (2007/8/21)
  • ISBN-10: 4004310474
  • ISBN-13: 978-4004310471
  • 発売日: 2007/8/21
  • 商品の寸法: 17.2 x 10.4 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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46 人中、40人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
アジア・太平洋戦争に関する本や研究は、いまや多岐にわたり、様々な領域で多数の出版物が存在する。また、最近になって硫黄島の戦いが注目されるなど、先の戦争の範囲の細分化と奥行きの広がりはこれからも止むことはないだろう。各領域の本を詳細に通読してきた読者には、本書に不満が残るかもしれないが(新書にあまりに多くを期待するのは酷であるが)、特定領域の専門化した書でなく、もう一度全体を簡単にでも見渡したいという読者には、逆に貴重な書であるといえる。本書を通じて、新たに各自が興味をもった領域を他の本に探し求めることも、もちろんありだろう。

著者は、はじめに「戦争の想像力の衰弱」として、先の戦争を直接経験していない世代の増加による、戦争のリアルな「痛み」への不感症を危惧している。ましてや、戦争を扱う書であるとなおさら、「〜千人死亡、〜万人死亡」という膨大な数字を当たり前のように幾度も目にするので、「痛み」が薄れていく場合が多い。しかし、当然ではあるが、それは避けなければいけないことである。また戦争突入の大義名分がどうだったかであれ、(著者は「自衛戦争派」の主張にわかりやすく異議を示しているが)「日本が戦った戦争の最大の犠牲者が、アジアの民衆であったことは間違いない」という言葉を見過ごしてはいけない。

本書は資料と研究書を中心に、表や地図をのせて様々な視点からわかりやすく戦争の経緯を示し、きちんと語彙の説明を含めながらも淡々と総力戦の「自壊」を描いている。戦争末期の総力戦が、公への忠誠という建前を切り崩して、逆に民衆の間に私的エゴイズムの広がりをまねいたという指摘は興味深い。つまり、公の名の下に私を優先できた、矛盾した社会でもあったわけだ。
個人的には本書をひとまず、アジア・太平洋戦争を振り返るうえでのコンパクトな基本書として推したいと思う。
このレビューは参考になりましたか?
36 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By GAKU
形式:新書
対英米開戦から終戦までの時期を、出来事(事件)を追いかけつつ、要所要所で戦争をめぐる「論」を整理して叙述されており、事実関係とそれがどんな意味を持っていたかという問題とが分かりやすくなっています。
また、日本の「加害」の問題はもちろん、国民が受けた被害、とくに無数の兵士がこうむった犠牲にも目が向けられています。実際に戦争を体験された世代の方が「あの戦争は何だったんだろう」と思って読まれても、十分期待にこたえるものになっていると思います。
本書を読んで、あらためてこの間の歴史研究が非常に大きな成果を上げ、蓄積してきたことを実感しました。著者は、そうした成果に広く目を配りながら、太い筋でアジア・太平洋戦争とはどんな戦争だったのかをえがきだしています。
ともかく戦争について知りたい、勉強したいと思っている若い世代にも、あの戦争は何だったのかふり返ってみたいと思っている年配の方にも、お薦めの1冊です。
このレビューは参考になりましたか?
35 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 今話題の沖縄島民の集団自決を、本書は「日本軍将
兵は、(中略)強要した」と記述しています。その正否は
ともかく、ここには「戦争の時代に続く時代を生きてきた」
(あとがき)という著者の強い思い入れが、気合と共に込
められていると思いました。
 ただ、「戦争や戦場の現実に対するリアルな想像力の
回復」(はじめに)と言いながら、その面では、例えば学
童疎開という自分史にこだわりながら、冷徹に戦史を綴
った黒羽清隆『太平洋戦争の歴史』上・下(無謀、無定見
なインパール作戦がいかに悲惨な末路を辿ったかの記
述は今でも忘れられません。/ 講談社 1985)に到底及
んでいないと思います。
 むしろ、淡々と書かれた銃後の生活のあれこれや戦
時経済の破綻の記述に創見があったと思います。他に
も、開戦や終戦の決定にあたっての閣議の形骸化、即
ち明治憲法体制の空洞化や東条独裁の特質の指摘な
どを、興味深く読みました。児島襄のもの(中公新書
1965)をはじめとして幾多ある太平洋戦史に、また個
性ある一冊が加わったというべきでしょう。
             
 本書を含めた近現代史シリーズの各書を、興味津々で
読んでいます。中では、視覚素材やチーム研究を活用し
て、新しい幕末像を描いた井上勝生『幕末・維新』、世評
高い有馬史学でも十分でなかった「満蒙特殊権益」の歴
史的意義を内側から解明した加藤陽子『満州事変から日
中戦争へ』は、大変意味のあるものだったと思います。
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