世界の映像文化の中心はアメリカのハリウッドと思いこんでしまうが、どことなくアメリカのプロパガンダの匂いを感じる。反面、ヨーロッパの映像文化は古典的な正統派という感じがする。そんな中、我が道を行くのがアジアの映像文化だが、映像においては日本のテレビアニメが果たした役割が大きい。
本書はアジアの玄関口を自認する福岡で開かれたアジアの映像文化のシンポジュウムだが、ここでも韓流について参加者が言及している。韓流は現在、量産する過渡期にあるというが、かつて、日本のテレビアニメがタイの文化侵略をしていたと問題になったことに改めて驚く。日本で韓流がナショナリズムも交えて騒動になったが、これとは異質のものであるとの指摘もおもしろい。
韓流は「量」から「質」の時代に転換する手前にあるのだろうが、今、日本のアニメ専門学校にはアジアからの学生が集まって来ている。「質」を求めてのことだが、この学生たちが故国に帰り、「質」がどのようにアジアに波及するのか、楽しみである。