旅先で出会った人びとの似顔絵(檄ウマ)を挟みつつ
グルーブ感溢れる文章でつづられ
引き込まれるように読んでしまいました。
それまでAKIRA氏といえば血液、ウンコ書道等の色物芸術家という認識だったけど
この本と、アメリカ放浪篇の別著『COTTON100%』を読んで見方が変わりました。
この世において、死、業、堕落といった事態は避けられない。でもそれと同じくらい、人と情を通わす喜び、間抜けで笑える事態、泣けるような美しさもこの世にはある。
ただ、前者は黙っていても向こうからくるけど、後者は自分自身が外に開いている状態でないとなかなか見つけられないものだと思う。
そしてそれは結構難しい。
AKIRA氏の「どこまでも開いている、たとえ傷ついても開いて受け止め続ける」感じが、すがすがしいです。
東西アジア放浪の旅を、写真+私小説「風」文章で綴った読み物といえば
藤原新也氏が嚆矢かと思いますが
彼の著作でちょっと鼻につく「貧しいアジア=美、正義/その点日本は…」みたいな逆説的な選民意識が、一世代下のAKIRA氏にはなくて、それも好感がもてます。
とにかく面白いです。文庫化しないかなあ。