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そして『運命』とは何か、という哲学的命題も。カッサンドラーという予言者が重要な役割で登場する。彼女がいかに「真実」を予言しようとも、誰も彼女の予言を理解することが出来ない。彼女は自分が政変に巻き込まれて死ぬことを恐れない。自分が死んだあとで初めて「真実」が歴史的に評価される事を知っているからだ。世の中「本当のこと」を語っていることをそのときは理解しないで、後で「あの人は立派だった」と評価することが多くはないか。(太平洋戦争からバブル崩壊まで)古典を読んで自戒したいものだ。
この作品には古代の作とは思えないほど、大筋とは関係ないキラ星のような名言が続く。古典の魅力の一つである。「人の命を、黄金で商う軍神アレースが、槍を交える戦のさなか、秤を吊るし」とか「人間の性というやつは、人がつまずくと、よけいに蹴倒そうと、はやるものだから」とかである。こういう文学が先にあって、シェイクスピア等の名作が生まれたのだと納得した。
内容は、トロイアー戦争に勝って凱旋したアルゴス王・アガメムノーンを、王妃・クリュタイメーストラーが殺害するという話。
王妃の動機は、娘が戦争遂行のための生け贄にされた復讐です。
そして復讐や戦争を嘆く言葉が、全編にわたって散りばめられています。
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