初めに☆が4つの理由を書きます。
それは前半の注釈の中に結末が書かれているからです。
* * *
電話を通して,終わる恋の相手と再びつながる女。
その頼りなさ(昔の電話通信事情)。
女が延々としゃべるだけ,電話だから,読む側に男の姿は見えず声も聞こえない。
「見えない」「聞こえない」
それなのにじっとりと生々しく感じられる"性"。
コクトーの作品はいくつか読みましたが,微妙な年齢の大人予備軍でもない,成熟しきった大人の性がここまで生々しく書かれているのは珍しい気がしました。
作品に性の描写はありません。会話にもありません。
しかしコクトーは読者の想像をそのひとつのイメージへ導きます。
ほかの作品とは少し違う,コクトーの世界です。