この「特別版」は、DISC1(本編)と、メイキング「曖昧な未来」とオダギリ初主演ドキュメンタリー番組を収録したDISC2「曖昧な未来」がセットになったSPECIAL BOX(ケースと同サイズのポストカードブックつき)。メイキングに、本編で使用されなかったシーンの撮影風景がいくつも入っている。また、本編DISC自体も、舞台挨拶映像18分など、特典盛り沢山である。高いと言わずに、とことん見たい人は買ってみてもいいかと思う。
私は先にメイキングの方を観てしまったのだが、監督は
「映画は肉体のドラマであって、感情描写は要らない」「ドキュメンタリーとフィクションにはっきりいって境界はない。ドキュメンタリーにもある程度の”作り”はあるし、フィクションにも本当の部分がある」
とする。
時間の推移を追うだけのような淡々とした映像、自然な演技からは、逆に感情がビンビン伝わってくる。限りなくフィクションであるこのストーリーからは、ドキュメンタリーのような緊張感が溢れる。
とても逆説的なのだが、狙ってそうなっているわけではなさそうなところがすごい。
わからないラストは正しく「曖昧」だった。だが話のわからなさよりも、ずっと登場人物たちの感情の渦の中にいることができたという体験が大きかった。
本当は雄二の方に注目すべき映画なのだろう。だが、やはり守の父親の言っていることの方がまだまだ正しいと思う。世の中は自分の思い通りになる時ばかりではない。思い通りにならないせいでキレることが恰好いい筈はない。
それでも「上の世代」は消えていくものなのだろうか。
どちらの世代にも感情移入できる年齢なので、正直ちょっと暗い気分にもなってしまった。
ただ結果として、雄二は何らかの成長はしたと見たい。
彼はどこへ行くのだろう。あの夢の意味は。
カタカナで書かれた「明るい未来」。それに届くために今も雄二はどこかで歩いていると信じたい。