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アカシヤの大連 (講談社文芸文庫)
 
 

アカシヤの大連 (講談社文芸文庫) [文庫]

清岡 卓行 , 宇佐美 斉
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

商品の説明

第62回(昭和44年度下半期) 芥川賞受賞

内容説明

清冽な青春を描く芥川賞受賞作ほか五編収録青春の憂鬱,妻との出逢いそして芳潤な生.在りし日の妻とアカシヤの香る大連を詩情豊かな瑞々しい筆で回想する代表作.大連に青春を重ねる新編集で纒めた決定版

登録情報

  • 文庫: 388ページ
  • 出版社: 講談社 (1988/1/26)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061960040
  • ISBN-13: 978-4061960046
  • 発売日: 1988/1/26
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By アジアの息吹 トップ1000レビュアー
形式:文庫
清岡卓行の大連は美しい。
しかし彼の過ごした戦前の大連は、もうこの世に存在しない。
その喪失感の表出は、この作家が最愛の妻を無くした時から
小説を書き始めたことと、決して無関係ではないだろう。

想い出の中の大連は、そのアカシアの香りとともに
優しく吹く風の記憶と同じく甘く、清浄だ。
それは亡くした美しい妻と同じく
現実には存在しないユートピアである。

不健康といえばこれ以上の不健康は無いのかもしれない。
しかしこの手に触れることのできないノスタルジアは
今も尚、多くの人を惹きつける魔力なのだ。

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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
辛い経験 2004/11/27
形式:文庫
大戦後の大陸からの引き上げを題材にしている。引き上げを実際に体験した人に薦められて読んだのですが、すさまじい、辛い現実が描かれ、現代の私たちの甘さを痛感させます。戦争が起こってから最終的に終わるのには、長い長い時間を要するのだということを訴えかける作品。
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形式:文庫
最初の出版は、2篇の中編、「朝の悲しみ」と「アカシヤの大連」からなっていた。

前編で、妻を病気で亡くした主人公は、朝起きた時いつも、言いようもない悲しみを経験する。妻と過ごした何気ないひととき、妻と語り合う自作の詩、妻の死後の不毛な再婚話、その内でも本気に近かった女性編集者との顛末、小鳥の現れる音楽についての思索などを通し、妻とともに「愛の眠りの園」にいるのではないかという観念に至る。

後編で、大連を生れ故郷とする主人公は、戦争末期、東京での学生生活を送っていた頃、大空襲を機に召集前に大連に帰ってみようと休学し帰郷する。帰郷の途上、そしてアカシアの美しい大連の街で、いろいろな人々と会い、いろいろな場所で過去の思い出をたどり、アカシアにつき、故郷につき、戦争につき、詩と詩人につき、憂鬱につき、また死の観念などにつき思索をくり返す。ソ連兵が来るようになり戦争も終り引き揚げ船を待つ間、やがて妻となる女性に巡り会い「彼女と一緒なら、生きて行ける」と思うようになる。

辻邦生によれば、営為としての文学は、「詩」と「根本的な観念」と「言葉」を以て「葛藤」を作品として創造することであるが、本書における「根本的な観念」は、生と死、「詩」はアカシアの大連、「言葉」は若い清岡卓行のそれ、「葛藤」は、朝の悲しみとのそれであり、それらの総体が「愛の眠りの園」に象徴される、と読むことが出来る。

「アカシヤの大連」は、ロマンティックな大連、叙情的大連、形而上的大連とでも言えよう。
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