ビルマ独立の歴史を、アウンサンスーチー女子の父親−
アウンサン将軍をはじめとする三十人の志士の一人
である「ボ・ミウンガン」氏が著したものに訳者が解説を加えたもの。
1988年のビルマ民主化運動を契機にそれまで部分訳に
更に翻訳作業を加え、本著を上梓された。
ビルマ独立運動の支援を任務とし、ビルマ独立義勇軍の誕生に貢献した
南機関の話、ビルマ独立運動家の青年30名を密かに国外へ脱出させ、
日本の各都市をまわったエピソード、箱根での休養、
海南島または台湾において軍事訓練の話などが、
実際にその場にいた当事者から生々しく語られる。
実際は重々しい話のはずだが、この独立に燃える三十人の志士
が非常に若かったこともあってか、それとも国民性なのか
悲壮さの中にも明るいタッチで描かれている部分が少なくない。
次第に乖離していく、ビルマ独立義勇軍と日本軍、
そのはざまで、本当にビルマ独立に力を尽くそうとした
南機関の日本人たちの揺れる心、
歴史にifはないのですが、真の独立を打ち立てていたら
と思ってしまう。
アウンサンスーチー女子の父親−アウンサン将軍と
軍政を引いて影でビルマを操った男−ネ・ウィン氏が
同じ三十人の志士であったことは皮肉である。
ビルマ独立から現在に至るまでの歴史の基礎を
勉強するには良い資料ではないかと思う。