祝!BD化。本来なら、商品ソフトのクオリティについて、まず以て語るのが礼節なのかも知れませんが、今作は大好きな作品だし、少しでも多くの方々の目に触れて欲しいので、まずは、映画について語らせて下さい。
もちろん、BDは購入するので、商品自体の評価は、視聴後改めて付記します。
クリント・イーストウッドのウエスタンと言うと、やっぱり、セルジオ・レオーネに請われて主演しスターダムにのし上がる契機となった「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」、あるいは、監督として絶大なる名声を勝ち得た「許されざる者」や「ペイル・ライダー」を思い浮かべる人は多い。確かにどれも傑作だし、自分も大好きな作品ばかりだが、忘れて欲しくないのが、そのふたつの潮流の中間期に発表された「アウトロー」である。
残念ながら、世間的にはあまり知られていない今作だが、実は、イーストウッド映画の様々な魅力、エッセンスが凝縮された源泉とも言うべき快作なのだ。
例えば、シャープな色調でコントラストが引き立つライディングは、名手で同志のブルース・サーティスの手によるものだし、イーストウッドの役柄は、南北戦争時に奴隷解放、産業隆盛を主張した近代的な北側兵士(リベラリズム)ではなく、保守的な南部の貧しき農民(リバータリアリズム)で復讐に燃える無法者、己の倫理と正義の下で生きる男だし、インディアンに移民、老人、少女に腹ペコの犬まで(笑)、いわゆる社会的弱者、マイノリティーへ向けられた優しい眼差しと共生が全編色濃く現れているし、まだあどけなさが残るソンドラ・ロックとの初共演作でもあるのだ。
もちろん、ガン・ファイトとアクションもたっぷり盛り込まれ、ラストのジョン・ヴァ―ノンとの対峙は、ファンにとっては語り草と言っていい名場面だと思う。
「ガントレット」とか「ダーティハリー1、2」とか、同時期マルペソ・カンパニーで製作され、既にBD化された他商品ソフトは、旧作群のクオリティ面では遅れを取っているWB作品の中では、まずは及第点と言うか、期待以上の水準を誇っているだけに今作も期待出来る。
今廉価化を機に、未見の方は是非にとお薦めします。