現場で教師をされている方々を中心に執筆しているだけあって、本書は非常に実践的なアイディアで溢れた良書である。最近流行りの「タスク」は教科書をないがしろにしていて個人的に好きになれない。というか非現実的で信用できない。生徒の能力を過度に評価し、彼らの能力任せと言っても過言でないタスク中心の指導法は、経済で例えるなら市場主義のようなものである。本書は、教科書のレッスンに対する生徒の興味を高めながら、内容を自分の経験の一部として深く理解させ、それをさらに発展させるための創造的なアウトプット活動を多数紹介してくれている。もちろん多様なレベルの学習者に対応できるよう各活動が工夫されている。本書こそ現場の教師が求めていた理想の指導書である。100年以上の歴史を持つ日本の英語教育がタスクで改革できるなんて妄言をうのみにしている教師がいるなら、まずこの本を読んで明日の授業のプランを立てなおしたほうがよほど生徒と日本の英語教育のためになると断言する。