60年代のオクラホマ州タルサ。そこでは、富裕層の子どもで構成される
「ソッシ」と労働者階級の子どもで構成される「グリース」の不良グループ
の対立が激化していた。ある夜、「グリース」のポニーボーイ(C・トーマス・
ハウエル)とジョニー(ラルフ・マッチオ)は、「ソッシ」の一人を刺し殺してし
まう。兄貴分ダラス(マット・ディロン)の助けで、二人は町を出るが…。
S・E・ヒントンが16歳の時に書き上げた同名原作の映画化作品。『
地獄の黙示録 3Disc コレクターズ・エディション (初回生産限定) [Blu-ray]』
で、精根尽きた(?)コッポラは、80年代に入り、より実験的で小規模な作
品を連発することになったが、本作も、その流れの中作られた切なく美し
い小品だ。当時、YA(ヤング・アダルト)スターと呼ばれる若手俳優が大
挙して出演し、それぞれが、後に大成したことは有名だ。
恵まれない境遇の不良たちの姿を、実に素直に、オーソドックスな演出
で切り取ってみせた佳作だ。コッポラは、奇を衒わず、余計な装飾もせ
ず、不良少年たちの孤独とやり場のない怒りに寄り添うように描いてい
る。『
汚れた顔の天使 特別版 [DVD]』(そのスピンオフである、デッド・
エンド・キッズものも)から『
理由なき反抗 [DVD]』に至るワーナー・ブラ
ザースの不良少年映画の伝統を受け継ぎつつ、コッポラは、新たな普
遍的な不良少年映画を作り上げたと言えるだろう。
キャスティングの妙で、出演者全員が生き生きとしているが、わけても
主要3人―ハウエル、マッチオ、ディロン―の好演が(というか存在その
もの)素晴らしく、子どもから大人への中間地点にいる、この時期特有の
少年の照れとその裏返しである意気がりを見事に体現している。本作
の重要なモチーフとして、何度か映し出される夕焼けと日の出のイメー
ジ(劇中、少年たちが読む『
風と共に去りぬ [Blu-ray]』の重要なモチー
フでもある)も、少年たちの美しい心を反映しているようで印象深い。そ
して、もちろん、スティービー・ワンダーの名曲『Stay Gold』。これほど、
作品のテーマを凝縮した美しい曲もない。
本DVDは、米ゾーエトロープのマスターを使用。場面によっては、キズ
などもあるが、時代を考えると、色合いも良く、繊細な画質。音声も明
瞭。特典には、予告編が収録され、日本語吹替え(「ゴールデン洋画劇
場」放映のものではなく、新録)も収録。権利の関係で難しいのだが、
将来的に、2005年に米ワーナーから発売された113分レストア版(主要
キャストのコメンタリー付)も発売して欲しいものだ。