アイヌ文化の担い手として有名な、萱野茂氏の自伝。
参議当選や二風谷裁判の前の著作であるが、氏がアイヌの伝統の保存に
血道をあげてきた足跡が書かれている。
民族問題を取り上げた著作は、とかく悲憤慷慨満ち満ちた、という内容になってしまう場合も多いのだが、
この本は等身大の萱野氏の姿勢と優しい口調で書かれているので、炉辺で話を伺うかのように、体温を感じながら読めた。
(自分も含め)一般にはあまり理解されているとは言いがたい、
アイヌの人々の近現代史が等身大でつづられているので、その理解の一助になるのではないか。
僕にとっては、アイヌの民俗文化、そして日本人との歴史について、
もっと知りたいと思わせてくれる一冊になってくれた。