少し古い新書。この本は、エリクソンのライフサイクル論とアイデンティティ実現の道具立てを簡単に説明した上で、筆者独自のアイデンティティのダイアグラムを提示している。社会的にラディカルか保守的かという水平軸と、超越的規範に従うか、あるいは状況依存的に振舞うかという垂直軸からなる四象限からなる。面白いのは、このダイアグラムにリフトンのプロテウス人間が組み込まれているところだろう。ギリシャ神話のプロテウスのように、神の呪いによりあらゆるものに姿を変えることができるが、ただ真の自分自身にはなることができない。現代人は状況依存的に様々な役割を演じる中で生きている。この本(あるいは、エリクソン)は、平易に人間の一生を理解する道具立てとしていまだ有効性を持っているように感じた。理解しやすい本。