ある時、ある運命。ヒロイン・撫子を襲う、ある出来事。
それを皮切りに、運命は次々とドミノ倒しとなり、世界は歪み、
それぞれ「大切な何か」が欠落してる、男性達の物語です。
思わず笑えるシーン(特に英兄弟…)、くすぐったくなるような、暖かいキャラクター達。
優しい前半シナリオを知るからこそ、押し寄せる後半戦の、喪失感。悲劇。
それらから意中の彼の心を救いあげることが、目標となります。
「AVGとして」「ゲームとして」、多くの意味で、私にとってこの作品は★5つでした。
各キャラクターをプレイし、久しぶりにコントローラーとティッシュ箱を往復させられました。
ただ、これもまたAVGという名の「パズル」です。
一つ一つのEDは、個々がパズルのピースです。何故、この課題メンバーなのか
何故、壊れたのか?「あの日」撫子の身に、何が起こったのか…
一つ二つのEDでは、全ての繋がりを見渡すことはできません。
誰かの幸せを望めば、他の誰かの望みを絶つ物語です。
その中で、どういう「幸せ」「始まり」を掴むのか?というお話です。
万人には勧めません。
しかし…涙腺を崩壊させられる音楽。光に溶けてゆくような、儚くも美しいムービー。
キャラの心理描写。声優さん達の演技力(キャラがキャラだけに、ものすごいものを披露してる方が何人かいます)
チェスの役名、壊れた懐中時計…等の、なにげないアイテムやキーワード…
世界を彩る、異様な演出力の高さに、気がつけばどっぷり浸かってしまいます。
システムに関して、「いらない作業はオトメイトの十八番…!」と身構えておりましたが、
入力システムも「とある場面」で演出に一役買ってます。
クリア後の楽しみも充実してます…是非全キャラコンプリートを。涙がにじむような、優しい後日談が待っています。
乙女ゲームとしての糖度は、公式ブログにもあるように、安心して(むしろ覚悟して)いいかと。
自重しない男性陣。可愛らしい少年時代の恋心も、
大人組の、お前もういい加減にしろと言いたくなる甘さもありました…。
撫子も好きです。あまりネタバレできませんが、全ての柱です。
彼女の思慮深い言動と、まっすぐな意思の力が、彼らの世界を変えます。
だからこそこのゲームは、デフォルト名入力で「撫子!」と声優さんに呼んでほしかった。声で。
乙女ゲーと理解していても、それが唯一、不満です。
発売前は、本作がオトメイト発であることを思い、皆さんの感想を待つ事にしました。
ですがこれは買って良かった。むしろ、何故予約して買わなかったのか…と、まあ本気で後悔してる程度には、揺さぶられた作品です。