全ルート攻略終了後の感想です。
PSP版で初プレイです。
結論から言いますと、何度もボロ泣きしました。
シナリオについて。
何人かの方が「長い」とおっしゃられてますが、
このような完全選択肢式のノベルゲーとしては、そこまで長くもないかと思います。
薄桜鬼がクリアできた方には余裕でしょう。
人によりますが、ぶっ続けでやったら一週目に二日・二週目からは一日ってところでしょうか。
二週目以降、物語の裏側を明かすイベントがどんどん追加されていきます。
さらに隠しルートで全補完といった感じです。
マフィアで死神という現実離れした珍しい設定ですが、
シナリオがよく作りこまれていてとても良かったです。
「ご都合主義な展開」もほとんどなかったと思います。
攻略対象は「死神」であり「マフィア」ですが、戦闘シーンも多いですし、マフィア設定のほうが強く感じました。
死神たちも、「俺達死後の世界から来たんだぜ」ではなく「何で俺達生き返ってるんだ?」という状態から始まるので、
”死神っぽい死神”との恋愛というよりは、”死んでしまったマフィア”との恋愛といった感じです。
糖度が低いとも指摘されていますが、
よく乙女ゲーにある、聞いていて顔を覆いたくなるようなゲロ甘なセリフは確かに無いです。
が、とても想い合っているのが感じられるシナリオで、EDは感動必至です。
日常の死神同士の会話は、コントのような場面もあり楽しく読み進められました。
かなり個人的な感想を言わせてもらうと、ライターさんの言葉選びのセンスがとても良いと思います。
こういったブッ飛んだ舞台での乙女ゲーだと「実際こんなこと言うか?」ってセリフに
げんなりした経験のある方も多いと思いますが、これはとにかく"クサくない"。
泣ける場面での、相手の切ない気持ちが滲み出るような台詞回しに心を打たれました。
あとは何と言っても音楽!
今回はシナリオも音楽もオトメイトさんではない…のかな?(間違っていたらすみません)
正直言ってオトメイトさんの音楽は手放しで褒められたものではなかったのですが、
このゲームは本当に良いです。
通常パートのBGMも好きですが、「ここぞ!」というシーンで流れる曲たちが最高です。
さらに、乙女ゲームには珍しいくらいのオマケ充実っぷりです。
後日談・設定ラフ・キャラからのメッセージ・キャストメッセージ、
特定条件を満たすと【NG集】なるものが見れます(笑)
良い点ばかりを挙げてきましたが、気になった点を少々。
他の方がおっしゃられている通り、名前の不自然なスキップは気になりました。
PSP版で追加になったオマケ分は改善されているようです。
主人公の性格は「教会育ちの純真無垢のド天然」。
ルートによっては、「この主人公本当に相手のこと好きなのか?流されてないか?」と
思ってしまうような態度もしばしば見られました。
シビアな舞台設定ですし、主人公が変に現実主義だとマイナス志向になりすぎて
成り立たなかったシナリオであるとは思います。
私は「そういう主人公なんだな」と思って普通にプレイできましたが、
深く自己投影を求める方には無理なキャラクターなのかもしれません。
でもまぁ、他の乙女ゲーの主人公も純粋で前向きで明るい子が多いと思いますし
それで何とも思ったことのない方なら大丈夫でしょう。
あと本当に惜しいのが、シーン転換のブツ切り!
萌えるシーンでもスチルが表示されてすぐ場面が変わってしまったり、
泣けるシーンで、数秒の余韻が欲しい時にも音楽ブツ切りの速攻場面転換…
というのが何か所かありました。せっかく号泣していても少し萎えたりすることも…。
それと大事なのが【個別ルートの終わり方】。
よく「悲恋好きにオススメのゲーム」と言われますがその通りで、
基本みんなハッピーエンドなんですが、
キャラによっては「ハッピーエンド…なのか…?」というのもあります。
全員が文句なしのハッピーエンドというわけではないのも、
このゲームが「ご都合主義」でないことに繋がると思います。
どのキャラのルートに入っても、基本となる展開の大筋は大体一緒なのですが
それが、誰もが幸せに終われるような穏やかな展開ではないのです。
その中でも、大事なものを失い、大事なものを見つけ、二人で歩んでいくEDは
どのルートでも切なくて心が打たれると思います。
すごく長くなってしまいましたが、検討の材料にして頂けると幸いです。
他の方の評価が少し厳しく感じたので(笑)、★5で。