本書は、考える力をテーマに著者独自のノウハウを惜しげもなく公開している。そのため、これまでに出版された内容と重複する箇所も散見されるものの、体系的にまとめられているので復習も兼ねて読む価値はあると思う。
まず、考える力に必要な基礎力・集中力・アイディア力・聞く力の4つの要素を取り上げ、その上で具体的なトレーニング方法を14項目にわたって紹介している。特に、5章のトレーニング方法は有益である。また、4つの要素も豊富な事例でわかりやすく説明しているので、スラスラと読みながら容易に理解できるように配慮している。
なお、本書で取り上げている方法の中には、既に実践していること、ないしは自分に合わない方法もあった。それでも、自分でも出来る項目を実行することで、考える力を伸ばすことができるだろう。少なくても、一読することで考える力を再構築し、より良い人生を歩むことができることは確かである。
本書を通じて得た発見を、以下に一部列挙する。
・制限があることで、いま何を考えなければいけないかがわかる。制限を上手に加えることで、思考を進めることができる。
・一流の人は自分自身で自分に具体的な課題を与えることができ、それをクリアするよう努力し、検証して自分のものにするという技を習慣化して、身に付けている。
・考え続けていられるというだけで、考える力の質が高くなる。量が質に転化するからだ。
・大事なことは、ただ相手の話を聞いて、有効な情報をメモするだけではなく、そこに自分の考えや発想などを入れ込むことだ。相手と自分、半々ぐらいでメモを取ることができればかなり上級といえる。
・自己チェック機能をつける。具体的には、何を理解したかどうか、はっきり自分のものにしたかどうかを、自分で自分に問いかけて、答えることを繰り返すことでチェックする。