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『ダークエルフ物語』は、裏切りをも美徳とするダークエルフの中に優しい心を持って生まれてしまったダークエルフ・ドリッズトが、故郷を離れ、自らを受け入れてくれる安住の地を見つける為に、旅する物語でした。そして、流浪の果て、ドリッズトは安住の地「氷風の谷」を見いだしたのでした。
この『アイスウィンド・サーガ』は、見いだした安住の地「氷風の谷」で自らを受け入れてくれる仲間と暮らすドリッズトの物語となります。
「氷風の谷」で、自らを受け入れてくれない人もいる中で、自らを受け入れてくれる仲間と共にささやかながら、幸せに暮らすドリッズト。
しかし、その「氷風の谷」を脅かす蛮人達が現れる。ドリッズトと、結束した人々とドワーフは蛮人達と戦うが、魔法の水晶に操られた魔術師がその蛮人達をも配下に組み入れて「氷風の谷」を虎視眈々と狙っていた・・・。
『ダークエルフ物語』が安住の地を求め、魔豹グエンワイヴァーと共に孤独に旅する(彼を理解する仲間もいましたが)ドリッズト1人が主人公とも言える物語であったのに対し、この『アイスウィンド・サーガ』はドリッズトを受け入れてくれた仲間(頑固なドワーフ・ブルーノー、その養女キャッティー・ブリー、ハーフリング・レギスら)も、非常に個性的な主人公と言えます。
『ダークエルフ物語』で、余りに孤独なドリッズトに涙した私としては、「氷風の谷」に辿り着いたドリッズトのその後がとても気になっていました。そして、この本で仲間と共に暮らし、戦うドリッズトを見て、大きな安堵を覚えました。
そして、安堵と共に、ドリッズトを襲う新たな試練にハラハラドキドキしています。次作がとても楽しみです。
是非、『ダークエルフ物語』を読んだ方も、読んでいない方も、是非この本を読んでみて下さい。(『ダークエルフ物語』を読んだ方は特に読むことをお勧めします。)また、この本を先に読んだ方は『ダークエルフ物語』を読むことを是非お勧めします。(『ダークエルフ物語』で魔豹と共に孤独に旅する、天才的二刀流剣士のドリッズトにシビれること間違いなし!)
ただ、残念な点があります。
訳者前書きにも書かれているとおり、非常に平易で、やや子供向けの文体になってしまっているのです。
あわせて段落が一、二文単位の細切れになってしまっているのも、個人的にマイナス要素です。誤植もあります。
ですので「ダークエルフ物語」での格調高く、雰囲気を大いに盛り上げてくれた訳を再び期待していた人には、少し不満かもしれません。
それでも十分に楽しめる作品であるのは間違いないですし、お子様にはより勧めやすくなっている、とも言えます。
「原著を読みたいなあ」と思わせてくれる、という意味でもプラスかもしれませんね。
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