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115 人中、107人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
もしも我が身に起こったら。,
By nite-light (noman's land) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アイシテル~海容 後編 (コミック)
もしも我が子が殺人の被害者になったら。もしも我が子が殺人の加害者になったら。 小学校1年生の子を持つ身として、中途半端な感情論では済ませられない、重くてリアルな物語。 加害児童にどんな汲むべき事情があったとしても、愛しい我が子を殺されて赦せる親がいるだろうか。 よく、殺人事件の裁判で極刑にならない理由として「被告は真摯に反省しており、更生の余地がある」と いう表現がなされるが、誰かの人生を理不尽に断ち切っておいてその後反省したからといってそれが何なのだ? どんなに反省しても、被害者遺族にどれだけ謝罪しても、絶対に償えないことというものはあるのに、と私は思う。 被害児童キヨタンの父親の言葉「殺された被害者は、加害者が更生するための生け贄か?」は、 加害者、被害者が大人であるか子供であるかに関わらず、現実のすべての殺人事件に共通するジレンマだ。 もし私の子が被害者になったら、相手の親に「あなたの子供を殺して償ってくれ」と言うだろうか。 逆に、我が子が加害者なら、子供に「死んで謝ろう。お母さんも一緒にいくから」と言えるだろうか。 ……そんなふうに想像するのは簡単だ。 でも実際には、どちらの立場でも、何もできず、ただおろおろと狼狽え、泣き、怯え、座りこんでしまうのだろう。 物語は、被害者側、加害者側双方にわずかな光が差しはじめることを暗示して終わる。 最初に読んだときは、このラストは綺麗事だ、と思った。 作品としてのクォリティのために、救いのない結末にはできないよね、と。 だが、日を置いて数回読み直すうちに考えが変わった。 確かにこの結末は綺麗事だが、ここから後の、語られない物語の先にあるものは綺麗事ではない。 失われた家族への愛慕と喪失感を常に感じながら生きなければならない被害者の家族と、 犯してしまった取り返しのつかない罪を背負って生きなければならない加害者とその家族が、 ともに等しくその胸に抱くものは「祈り」だ。 いま、ここに生き残っている者たちが、この先いつの日か、心の平安を得られるようにという「祈り」。 現実の事件において、加害者の「真摯な反省」とやらが被害者遺族に実感できるケースは皆無に近いで あろうことは想像に難くない。 しかし、だからこそ、この物語が描かれ、この結末が描かれた意味があるのかも知れない。
8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
二冊かって表紙を並べてみてください,
By たまごぼーろ "hukky" (愛知県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アイシテル~海容 後編 (コミック)
この漫画の表紙はとても工夫されています。まず一冊ずつ、開いてうつぶせにします。 前巻、キヨタンとママは向き合っています。 後巻、智哉とママは向き合っていません。 二冊を並べます。 タイトルを外側に並べると、どうなるでしょうか? 智哉とキヨタンは向き合います。さて、そのまま裏側に向けると…?? 表紙の作りだけからでも、著者が訴えたい内容の「核心」が伝わってきます。
40 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
生者には時が等しく流れ…,
By 裸足めぐり♪ (大原美術館からチャリで10分) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アイシテル~海容 後編 (コミック)
『海容』のサブタイトルから、キヨタンママや加害者一家の結末は、だいたい分かっていましたが、どうやって海容にまで導かれるのかまでは、予想がつきませんでした。 作者の力量に感服。 かつて「キヨタンは死んで無敵になった」と言った姉の美帆子は、救われないか、あるいは、 家族以外の男性の愛によって救われるんだろうなあ…とは思ってましたが、 それだけじゃ、なかった!!!! こういう形の救われ方、良いですね。 ↑どんな救われ方なのかは、読んで味わってみて下さい。 作中で、特に触れられている訳ではありませんが、 戦前の価値観を引きずった家庭と、戦後の民主主義教育の学校で育った親世代。 ワガママな父親と、子育てする母親の負担。 本来、輝きを持っている「子育て」という行為を(←オマイは鈴木先生か!?…自分で書いてて照れるゎ)、 いつの間にか「子育てさせられている」と感じてしまう母親。 きっと今の日本には多いでしょうね。 急速な個人主義化、核家族化。 現代社会の暗い側面が、引き起こした惨劇。 ワイドショーを観る度に、ウチとは違う、嗚呼ヒドい、と思ってしまう、よくある惨劇。 ウチとは違う?本当に??? なんて、いろいろなことを考えてしまいました。 海容…。 本当にその言葉に収束されて行く作品でした♪ それにしても、母の愛にひきかえ、父親ってのはだらしないなあ…。シッカリせい!!
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