相変わらず絶望的な状況が続く今巻はモール編のクライマックス。全体を通して状況が1コマ1コマ丁寧に描写されている。例えば英雄が銃を発砲するだけでも、装填、照準、発砲、空の薬莢を捨て新しい薬莢を再装填、と事細かに動作が描写されている。これにより読者に読む時間をかけさせ、ZQNに襲われるかもしれないという緊張感を高めている。この作品はホラー・SFではあるがその土台を徹底的にリアルにしているからこそ恐怖感が増している。だから僕らと同じ一般人の英雄が活躍してもそれが一連の動作を踏まえたものなので人間離れしていない(現実)対するZQNは超人的な動作で襲ってくる(SF)この対比を丁寧に演出し恐怖と緊張を高めていて非常に楽しめた。
ちなみにこういう演出をサラッと読んでしまって冗長と評価をする人もいるみたいだが、ポンポンとテンポだけ考えて話を進めていたら怖くもなにもないまま話が終わってしまう。これはそういう作品ではない、と思う。それに物語は進んでいるし決して遅い展開ではないと思うし。