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18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
やさしくて冷たい人工知能,
By ラテンマン (北海道) - レビューをすべて見る
Amazonが確認した購入(詳細)
レビュー対象商品: アイの物語 (角川文庫) (文庫)
地球の未来を背景に,7編の短編と,それを語るアンドロイドと聞き手のヒトからなる物語.短編の前半はあまり人工知能とは関係がないが, 中盤辺りから意識のハードプロブレムに関する著者自身の回答を踏まえた人工知能のストーリーになっている. この領域についてwikipedia程度の基礎知識があるとより楽しめるだろう. ハートウォーミングなストーリーの連続で, SFとしてはやや物足りなさを感じる向きもあるかもしれないが, 人工知能が誕生するためのブレークスルーが, それに関わるヒトのある種の愛情だとする設定からは, 著者自身の持つ科学への愛情や信頼が感じられる. 人工知能同士のシュールな会話や,未来におけるヒトと人工知能の関係から, ヒトを超えてしまった人工知能のやさしさが見られる一方, 合理的な思考から導き出される冷たさもうまく表現されている. この対比もなかなかうまい. 人工知能を少々美化しすぎているいるきらいもなきにしもあらずだが, 一読の価値のある作品.
16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
いい本をありがとう!,
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レビュー対象商品: アイの物語 (角川文庫) (文庫)
山本弘さんと言えば、「トンデモ本」の人としてのイメージしかなかった。たまたま店頭に並んでいたのを発見して、あまり期待もせずに読んでみたのだけど本当に素晴らしい作品だった。 個々の物語はどれもAIやらVRだの現代的なテーマを上手く使いこなしつつ、あくまで人間の物語としてさわやかな読後感を持つ作品。とにかく読んでいて気持ちがいい。 そして何と言っても最後のアイの物語。 人間が自分たちより上位の人工知能に取り変わられて惨めな生活をしている世界、それは今まで否定的に描かれていた世界観のはずだった。しかし、最後に明かされた真相はそうではない。 人間がずっと夢見ながらも自らの持つ限界に夢やぶれて挫折した様々な事、その意志を引き継いで旅だっていく者たち。 人間からすれば惨めな状況なはずなのに、何故これほどまでに清々しいのだろう。 このような美しい物語を贈ってくれた山本氏に感謝する。
14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
彼女は決して人を笑ったりはしないし、憐憫もかけない。,
By TiTo (名古屋市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: アイの物語 (単行本)
本稿では短編の中で最も面白かった、「詩音が来た日」を紹介します。この物語は老人介護用アンドロイド、詩音が老人保健施設で老人介護を行いながら精神的成長を遂げていくお話です。詩音は悲しみや憎しみや偏見といった負の感情を持たない、人間とは異なる知性を持つ存在です。そんな詩音が矛盾だらけの感情を持つ人間のことを理解し、愛していく様子は、読んでいて胸が熱くなりました。 特に自他共に認めている悪党のような老人と憎しみも偏見も抱かない詩音が対話する場面が良かったです。この場面は是非とも本書を手にとって読んでもらいたいです。 筆者の奥さんは元看護師だけあって取材もしっかりとしており、老人保健施設も細部まで描かれています。近い将来、私達が老人になる頃にはこんな世の中になっているのかなと想像してしまいました。そして、詩音のようなアンドロイドがそこにいたらそれは素敵な未来だなと私は思います。 「詩音が来た日」は2006年に読んだ中で最も面白かった物語です。お勧め!
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