なんとも珍しい、「ん」から始まる漫画である。
それが今作、高尾じんぐによる生徒会コミック「んぐるわ会報」。
まず初めにいうと、またも日常系作品から傑作が登場したという印象である。
この1巻だけ見ると、面白くない話がない。キャラクターも個性的。で、妙な現実感もある。
という新人の初コミックとしては出色の出来だと感じました。
生徒会漫画といっても、漫画的・アニメ的な生徒会ではなく
むしろ地味な、現実にやっているような事をそのままやっている生徒会漫画で、
その点では中々に隙間を埋めてくれる作品ではある。 実際こういう漫画はあまりないと思う。
しかし地味とはいってもシチュエーションの組み立て方や基本的な会話の面白さ(何度も笑わされた!)、
何よりも単純にキャラクターが面白いので読後感は地味ではない。
かといって記号化されてる訳でもなく、必要以上にキャピキャピしないキャラクターセンスも巧みだなあ、と。
漫画的であり現実的でもあるという見事にグレーゾーンを突いた話とキャラ造詣で面白いな、と。絶妙なバランス加減です。
どの話も面白いが、特に天文部とラクロス部が異色のコラボをする第四号は鉄板レベルである。
しかし主人公の生徒会長のキャラがめちゃくちゃ面白い! かなりのSである。しかもいい加減。
彼女の行動の一つ一つがいちいち予想外で見ていて飽きない。
またメインキャラで唯一の男性である松戸という人物がいるのだが (不器用な良い人キャラ)、
この松戸が生徒会長にいじくられまくってて、翻弄されまくる様は可哀想だが非常に笑える。言いなり状態というか。
と思いきや優しい一面も見せる場面があるのも良い感じ。
とにかく読めばきっと面白い!と感じてもらえる漫画だと思う。
1巻の時点でこの安定感は凄い。
またおまけページとして「号外」と称した生徒会の活動記録漫画が書き下ろされている。
実際の生徒会も普段こういうことやってるんだろうな、と思わせてくれるほどリアリティがあって興味深かった。