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われらの狂気を生き延びる道を教えよ (新潮文庫)
 
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われらの狂気を生き延びる道を教えよ (新潮文庫) [文庫]

大江 健三郎
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

外部からおそいかかる時代の狂気、あるいは、自分の内部から暗い過去との血のつながりにおいて、自分ひとりの存在に根ざしてあらわれてくる狂気にとらわれながら、核時代を生き延びる人間の絶望感とそこからの解放の道を、豊かな詩的感覚と想像力で構築する。『万延元年のフットボール』から『洪水はわが魂に及び』への橋わたしをなす、ひとつながりの充実した作品群である。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

大江 健三郎
1935(昭和10)年、愛媛県生れ。東京大学仏文科卒業。在学中に「奇妙な仕事」で注目され、’58年「飼育」で芥川賞を受賞。以後、常に現代文学の最先端に位置して作品を発表し、’94(平成6)年、ノーベル文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 469ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1975/11)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101126097
  • ISBN-13: 978-4101126098
  • 発売日: 1975/11
  • 商品の寸法: 15 x 11 x 1.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By くわもちじんぺい トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
 大江の新刊がまたどうもぱっとしないので、旧作を30年ぶりに読み返しました。
 入り組んだ修辞の続く長い文。難解な漢語や英語が、分かって当然とばかりにちりばめられる。核兵器で東西軍事バランスを図る時代の緊張感と、ベトナム戦争の影が、連作中編物語に陰鬱な背景を加える。作者の出自に関わる土俗的因習をまとった奇抜な知人・親族たち、障害を持った息子がなにやら神話性を帯びた脇役となる。視点人物は神経症におかされ、酒に溺れる高学力な職業作家である。
 大まじめで深刻に書かれた戯画的な人物群は、逆転してユーモアに変質してゆく。この頃の大江作品は、やはり面白い。難解さが苦にならない。世界と自分と文学がつながっていると感じられた時代の傑作である。
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18 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Penny Lane トップ500レビュアー
形式:文庫
「死者の奢り」、「飼育」などのデビュー作群では、救いなき逼塞状況を描く作風が目立った大江氏も、『個人的な体験』(1964年)以降は希望をうかがわせるオチをつけるようになり、その暫定的なハッピー・エンディングこそが大江文学の魅力のようです。

けれども、『万延元年のフットボール』と『洪水はわが魂に及び』とのあいだで、それらに収まりきらなかった作品が集められた、1969年初版の本書は、そのタイトルのとおり、われらの狂気を生き延びる道をつかめないまま終わる短編・中編の集成です。自分の文章やブレイクからの引用や「ギー」、「イーヨー」というキャラの登場はもちろん初期には見られなかったことですし、相変わらず難解ですが、本書のテーマは初期の大江文学が提示した救いなき世界に通じるもののように感じられたので、本書を興味深く、そして懐かしく読むことができました。

このレビューは参考になりましたか?
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
お読み得 2008/6/17
形式:文庫
密度の濃い作品群である。ひとつひとつの章は残酷でユーモラスな印象を残し、尚且つ最後の章で一応オチがついている。それを「救い」と感じるか「救われない」と感じるかは読者に委ねられているのだろう。大長編ではないが読後感の重さはそれに匹敵する。お読み得の作品だと思う。
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